竹にまつわる雑学コーナー(その3) 〜「竹に雀」「竹に虎」の組み合わせはなぜ多い?他 〜
縁起の良い植物として知られる『竹』には、それにまつわる慣用句や四字熟語などが多く存在します。「聞いたことはあるけれど、どんな意味?」「どういうシーンで使うの?」など、ちょっとした豆知識を紹介します。
【「竹に雀」「竹に虎」の組み合わせはなぜ多い?】
「竹に雀」「竹に虎」。水墨画の画題や、装飾のモチーフなど、1度はどこかで見かけたことがある気がしませんか。竹と雀、竹と虎の組み合わせはなぜ多く使われるのでしょうか。
「竹に雀」「竹に虎」は、どちらも取り合わせの良いものの例えです。調和が取れているさまが想像できますよね。その由来は明確ではないようですが、虎に関しては、中国では虎は竹林に住むとされ、その勇猛さを強調する意味合いで竹とともに描かれるのだそうです。
竹とともに描くと、勇猛な中にも美しさや高潔さが生まれる気がするから不思議です。
一方、「竹に雀」で有名なのは家紋ではないでしょうか。歴史に詳しい方ならすぐに思い浮かべるかもしれません…上杉氏や伊達氏が用いた、笹竹で作った丸の中に雀が向き合っているものです。雀は、昔話や民話でも害虫を食べてくれたり恩返しをしたりと、日本人に好意的に受け止められてきました。
縁起の良い鳥として親しまれてきた表れと言えるかもしれませんね。
【「竹馬の友」今の子どもなら…?】
『 … 先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。 』
太宰治の「走れメロス」に出てくる有名な文章。国語の授業で習ったことのある人の中には、この作品で「竹馬の友」の意味を知った人も多いかもしれません。
「竹馬の友」とは、幼なじみのこと。竹馬に乗って一緒に遊んだ、幼い頃からの友達という意味です。ほのぼのとした温かな情景が思い浮かぶ例えですよね。
とはいえ、今の子どもたちには、今一つピンと来ないのでは?という気も。体育の授業などで、竹馬に乗る機会もあるようですが、体験したことのない子どもも多いはず…。平成の子どもたちにとって、「幼なじみとの遊び」に当たるものは一体何でしょう?
外遊びをしない小学生も増えているようですから、すぐには思い浮かびません。例えば「ゲーム」ときては、昭和生まれの人間にとっては寂しい気がしてしまいます。
「他ならぬ君と遊んだ」という素晴らしい思い出が、今の子どもたちの心にも育ちますように…!